おはよう

挨拶 CEO

There is no reply, but sweet wind blew. - lang

//////// 注意!銭湯じゃないレビュー記事です ////////

 

センチメンタルなフラストレーションを吐き出すバンドがある。

一見並列することのない、綯い交じる単語同士がぶつかり合うくせに質量を変えずにこっちに飛んでくるものだから困ってしまう!東京の地下シーンを鳴らしているバンドのひとつ、langが新譜を発売した。

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前作1stアルバム『調べ』より4年、メンバー体制の変化やFredelicaとのsplitのリリース等を経て2ndアルバムが遂にリリース!DaitroやCeleste、それに地元のViva Belgradoなど数々の激情バンドの名盤を生み出してきたスペインのUltramarinos Studioまでわざわざ旅立ちレコーディングからマスタリングまで全て行われた今作。泥臭さと悲壮感が混じりあった彼等特有の日本語エモーショナル・ハードコアの中に現地で汲み取った空気感を余す事なく落とし込み、ドラマチックでより一層哀愁際立つ最高傑作に仕上がった。盟友Viva Belgradoと現地でショートツアーも行ったが、日本では考えられない程広いキャパシティの会場での演奏にも拘わらず、現地の多数のハードコアファンにも暖かく迎え入れられて大好評で終演した。帰国後は突然更にメンバーが新加入し、現在ツインギターの5人編成で活動中。今後の彼等の動きには言うまでもなく要注目だし期待が高まるばかりである。

こちら出典はdiskunionホームページ。

 

langという概念

ぼくとlangの出会いは8〜9年前くらいにはなるはずなのだけれど、当時からソングライティングのセンスは圧倒的に頭抜けていて、いまこうして耳元で聴くことのできる「There is no reply, but sweet wind blew.」は今なお新しく響くが、結成当時からきっと、言うならこの調子で、それ以上の、隼の嘴の先にできたニキビくらいに最先端を行くそれであった。・・・もう正直よく分からないのである。

前述の通り、「泥臭さと悲壮感が混じりあった彼等特有の日本語エモーショナル・ハードコア」「ドラマチックでより哀愁際立つ」楽曲群がこのバンドの魅力だ。彼ら特有の、というところは間違いなく特筆すべき箇所で、素人目にも、描かれる詩世界は独特な様相を醸しているし、これは日本人の情緒や感受性を純撫でする内容である一方で、ギターリフや曲構成をとってみると日本では聴き馴染みのない質感で迫ってくる。既にlangはlangである、地下のインディーシーンにこれ程までわかりやすく新しいアイデンティティを打ち立てたバンドがあっただろうか。ってゆーかlangって何なのだ。language的な意味か? んまぁおそらく、ただ聴いてみればよい、それで何かがわかると思う。

 

欧州経由の、独自生成されたパッション

前述の内容を少し深掘りしたい。聞き馴染みのない音?それは、各ウェブストアのレビューにもあるよう、欧州ハードコアの影響をムンムンに感じさせるこの音だ。数年前それとなく日本でもブームを巻き起こしたために、シーンを少しなぞっただけのぼくであるが以前にどハマりして依然その泥濘から抜け出せずにいる。langの放つ音やタイム感はその空気感を存分に含んでいる。キラキラの憂いだ!

前作「調べ」は荒削りで、うねりながらも渦の中心を驀進し続ける(ビーダマンの弾のような)パッションに溢れていたが、それもなるほどで、今作はその情熱をそのまま片栗粉で固めたソリッドさでパッケージ化されて、もはや一級の芸術品のような高級料理よろしくのヤバイものが出来上がってしまった!陳腐な例えで恐縮だが、音の構成や声の配置から、曲として纏う雰囲気や空気感、langというバンドの佇まいまでも「突き詰めた美学」を感じさせる内容になっている。

孤独や寂寥と真摯に向き合ったものさびしい夜に似合う詩には、不思議とこの熱量がマッチする。きっと、憎悪はない。大袈裟なものでない、日常の断片だろう。それがそっとぼくらの生活に寄り添い、新しいのにどこか懐かしい匂いを発して、誰しも抱く解放へのカタルシスへ容易に導いてくれる! ぼくたちは耳馴染みのない(もはや崩壊した音としての)言語の配列の上を踊るようにして足や腰を揺らし、日常の断片をたまに気づかず粉々に踏み潰しながら、拾い上げていく。そして懐かしむ。破片を介してみる陽の光に浄化されていくような感覚をひとしきり味わう。こういうシチュエーションは、雨の翌日なんかがベストなのだと相場で決まってる。ここに熱情がないわけないじゃない! 

大前提としてカテゴライズするのは野暮であるものの、影響を感じさせながらも、それらを自然に丁寧に配合させたバンドが彼らなのだ!唯一無二である!とこの際いってしまおう。知ってる人が聴いても新鮮だし知らずに聴いたら何これの灼然たる新鮮さを感じること請け合いだ。 (なんか言葉を次々に並べ立ててはいるけれど、うまく伝えられなくてはがゆい、、自分的にしっくりくる例え、というか常日頃から感じている感触は梶井基次郎の”檸檬”のようなあの感じといえばよいのだろうか、、形而上的な美学 というかやつの好きなものというか。結局、檸檬の主題さえも実際分かってないし自分・・・ああ!もやもやするなあ~~~!)

スペインのあの(!)環境で、録音した盤ということでそれだけでぼくは心踊ったし、それだけで必聴ってわけなのである。素敵な低音の立体感、とギターの粒とその存在感はプラシーボ有りでもああなるほど独特な響きだと感じることができた。

 

絶望の対義語

さて、ぼくがlangに感じる最大の魅力を最後にお伝えして、顔も知らない誰かがこのバンドを聴いてみるきっかけになればと願い、筆をおきたいとおもう(まだやるのか)。布教するつもりも、好きになってほしいとか絶対買ってくださいとかって気持ちも残念ながら全くこれっぽっちもなくて、ただぼくが好きという理由で書いてるので、各方面にごめんなさい・・・ただむしゃくしゃしてやったみたいな内容でごめんなさい

その本題、このバンドの魅力であるが、冒頭でも述べたよう、センチメンタルなフラストレーションを吐き出し続けるくせに、ライブでもひとつ見てみると、多幸感に満ち溢れすぎてまじで敵わないってことだ!!!これは本当にほんとに勝手な解釈であるし、本人らに否定されるかも、参考になるわけもないのだけど、ただ、ぼくがぼくの言葉で伝えたかった。ぼくのそれとなく音楽を聴く習慣の中で、ハードコアっていいな〜って漠然と感じる時があって、なんだかときたまやたらとってもキラキラして見えたり聴こえたりするのだ。これはパンク由来の反骨精神だったり鬱屈した感情だったりを秘めつつ、声を枯らして叫んで、踠いてるようなその様子に、光を求めてるのを想起するからなのだろう、たぶん。生への執着、ってほど大袈裟なものではないのだろうけど、そこから見える微かな光は間違いなく純然たる希望で、日々の生活の中で静かにジタバタする自分の理想を重ね合わせちゃったりしちゃうのだろう。仄かに幸せの感情が沸き立っていつの間にかそれに支配されてふにゃふにゃになってしまう。どんなに創意工夫されたものであっても、音楽は耳に届いて鼓膜を震わせているのは結局、空気の振動に過ぎないのになあー世の中妙ちきりんなことが多すぎる。

 

燃えて崩れる夜

新作のディスクレビューのつもりだったのだけれども、果たして、清く、正しく、ぼくは出来ているのでしょうか?(反語)(筆置くとかいってまだ続ける)

ここまで拙いながら長々と書いて来てしまったのだけれど、手に取りやすいようで、極めて異質な感触のするバンド lang!殊更日本の音楽シーンに於いて。インディーシーンではこう、それこそもっと熱くてきっと色んなバンドがいるのでしょうが。そのイロイロな部分にちょっとした脚光が当たればほんとうに楽しくなるのに、それはメジャーになるとか売れるとかではなくて、そもそも音楽業界の不況なんてぼくには関係ないし、だから、流行り廃りなんかも無く、みんなの選択肢がただ増えればいいのになあなんて考えている。激情系?とカテゴライズされそうなこういうバンドも変な色眼鏡はなしに評価して欲しいのだ、そうして育っていく肥沃な土壌が日本に備わっていて欲しいっていうのが最大の希望だ。外国人の流入に期待感を持ってしまう自分もいるね。その点でぼくは、langが日本の音楽シーン確変の黎明期、最前線にいるバンドであると信じて疑わない。アイドルが突散らかし続けた(もちろん誰にとってもそれは嬉しい状況ではあったのだけれどもそこから固定され続けてしまった)日本音楽業界の長あ~~~い夜もここから明けていくんじゃないかって胸を膨らませてしまうのだ!!!!!!!!!!!!!

氏曰く、夜は燃えて崩れてしまってるみたいなのだけれど・・(IHATOVより一部抜粋)

 

 

またも恣意的な思想をバンドを通して書いちゃった気がして辟易してる

 

また文字ばっか読ませやがってと感じたみなさん。語彙のやっすいレビューしやがってと感じたみなさん。お前langの何なんだよと思ったみなさん。ちょっと話を聞くだけ聞いて気になってくれた皆さん

聴けます!

色んなところで絶賛、こちらの音源が聴けますので、ぜひ聴いてみてください!ぼくも大好きなので、こんなひょんなきっかけからでも何か感じてくれるだけで嬉しいなあなんて思う。spotifyとかApple Musicとかすごい

レビューやそういう言葉なんていうのは実際、音を目の前にしたら悲しいけれど、本当に本当に何でもないし、こういう素晴らしい作品っていうのはそのもの以外に何にも代えの利かないもので、ほら、最高以外の言葉で言い表すのだってめちゃくちゃ難しいのだ

 

以下、配信サイトとトレイラーのリンクです

linkco.re

  


lang 2nd album 「There is no reply, but sweet wind blew」trailer

 

 熱心なバンギャみたいなことしちゃったけどいいものはいいし、話したいし、銭湯レビューの一環みたいなもんや!音楽は銭湯なんや!(ちがう)